先日お手伝いさせて頂いたご葬儀は、幼少の頃から剣道に打ち込んでこられた方が故人様でした。学生時代からその名を轟かせ、腕前はかなりのものだったそうです。式場には、故人様の防具や竹刀、そしてトロフィーや楯などが飾られ、共に稽古に励んで来られたお仲間の皆様が多数ご参列して下さいました。
そんなご葬儀での開式前ナレーションの抜粋です。
「初めて竹刀を握った幼き日から、直向きに修練に励まれ、名門、早稲田の剣道部へと進まれた太郎様。強豪ひしめく全日本学生剣道選手権大会では、その後の語り草にもなった獅子奮迅のご活躍。互いに切磋琢磨しながら、竹刀を交え繋いでこられた絆は、40年経った今日も、変わることなく太郎様とお仲間を繋ぐ心の絆となっています。」
礼に始まり礼に終わる。礼節を重んじ、相手を敬い思いやりの心を大切にする。そんな剣道の教えを、ご子息様にもよく話して下さったという故人様。
ご出棺の前には、喪主を務められたご長男様がこうおっしゃっておりました。
「人として生きていくうえで大事な事は父から教えてもらいました。」
故人様は強い剣士であり偉大なお父様だったのですね。
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