今回は、先日のご葬儀でアナウンスさせて頂いたナレーションの一部をご紹介させて頂きます。固有名詞は仮名です。
故人様は、18歳から左官の仕事一筋に打ち込んで来られた方。祭壇の中央には、愛用の「こて」がガラスケースに入れられ飾られていました。仕事に対する真摯な姿勢とその技術は共に働く同僚の皆様からも一目置かれる存在だったそうです。
そんな故人様の開式前ナレーションの一節です。
「18歳で左官職人としての第一歩を歩み始め、以来、がむしゃらに、ひたむきに、仕事に打ち込んで来られた故人様。ひと塗りひと塗りに妥協を許さぬその姿勢は、後進の良き手本であり、憧れの存在。80歳を過ぎて尚、現場に足を運ばれ、「こて」を握り壁と向き合う。まさに左官に情熱を傾けた誇り高き職人人生でございました。」
式場には、思い出のお写真と共に、かつてカメラマンさんに撮って頂いたという故人様の手のモノクロ写真が飾られていました。
故人様の「手」は、数多の皺が深く刻まれていて、職人さんらしく、ごつごつとした美しい手でした。
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